再建築不可物件のリフォームはどこまでできる?
建物を建築するためには建築確認という審査を受ける必要があります。再建築不可物件の場合、建替えることができない物件なのでこの確認が受けられません。これはリフォームに関しても必要で、増築や改築、その他の大規模な修繕や模様替えの場合に必要となるのです。そうなると再建築不可物件はリフォームができないのかというと、そういうことはありません。延べ床面積を増やす増築や、建物の一部を解体もしくは撤去して建て直す改築はできませんが、大規模な修繕と模様替えは4号建築物(木造2階建て、延べ床面積500m2以下のもの)に関しては建築確認を受けなくて良いとされているのです。そのため、大規模修繕や模様替えといった建物の形状を変えない範囲のリフォーム工事ならば再建築不可物件でもできるのです。
壁・柱・梁・床・天井などの工事では耐震性や耐火性を向上させることができ、設備や建具の交換や断熱材の使用、外壁や屋根などの交換工事をすることで新築同様のリフォームが可能になります。価格の安い建売住宅よりも機能性の高い住宅に生まれ変わらせることもできるのです。
ただ、基礎部分である柱や梁、柱間の補強である筋交いの補強はOKでも、組み替えは建て替えとみなされ、役所からの指導が入ると工事を中止せざるをえなくなってしまいます。
再建築不可物件のリフォームの場合、このように注意する点も専門的になるため再建築不可物件に強い業者や専門のリフォーム業者に頼むことが重要となるのです。
再建築不可物件のリフォームにおける問題点
新築同様にリフォームすることができるとしても、大きな壁となるのが費用の問題です。再建築不可物件の建物は、ほとんどが築年数40年を超えるものです。このような建物をリフォームするとなると、当時建てられた木造住宅の耐用年数から考えて基礎の補強など大規模な修繕となるリフォームが必要となる可能性が高くなります。
また突貫工事で建てられたような建物や長い間空き家となっていた建物だと、その構造自体の老朽化はかなり進んでいることも多く、リフォームすることができるかどうかもわかりません。
そしてこれらの築年数から見ると、現行の耐震基準を満たしていないことも多く、基礎や柱の補強に加え耐震補強を施したフルリフォームとなると新築以上に費用がかかることもあります。外観や内装、設備など表面だけのリフォームであればコストを大幅に下げることもできますが、リフォーム後の耐用年数は大規模なリフォームに比べると短くなります。
さらに問題となるのが、実際にリフォーム工事ができる環境かどうかという点です。もともと接道問題で再建築不可となっている物件が多いので、物資の運搬や工事車両の通行、隣地住宅とのスペースによる足場の問題、私道の通行に関してもかなり制限がでてきます。これらの問題をクリアしないとリフォーム自体できないということも注意しておく必要があります。