再建築不可物件には保険をかけておく
家を購入したときに一般的に入る保険が火災保険と地震保険です。これらの保険は再建築不可物件だからかけられないということはありません。中古でも築年数が古くても土地が複雑な再建築不可物件でも保険の契約はできます。また再建築不可物件だからといって保険料が引き上げられることもありません。これは火災保険の保険金額は「再調達価額」という基準によって設定されるからです。
「再調達価額」とは、火災や水害などにあって損害を受けた場合、現時点の建物や家財と同等のものを新たに建てたり購入したりするのに必要な金額です。保険金額を決める時には、この金額を基準として1㎡あたりの単価に延べ床面積を乗じて算出される評価方法が取られます。そのため築年数に関係のない保険金額をかけることができるのです。
一方この再調達価額から建物の経過年数や家財の消耗具合を差し引いた「時価額」を基準にした評価設定もあります。この評価で保険金額が設定されると、同等のものを新たに建てる費用は補償されません。せっかく保険がおりても建替えなどに保険以外の出費がかかることになります。
現在の火災保険は再調達価額を基準とした評価設定ですが、古い火災保険で契約していると時価額を評価基準とした火災保険である可能性があります。一度火災保険を確認して時価額基準の場合は見直しをするといいでしょう。
火災保険加入のメリット
1軒のちょっとした火災が強風にあおられて大規模な火災となることもあります。いくら気をつけていても隣家の火事の延焼を防ぐことはできません。こうしたもらい火による火災だとしても、自分で火災保険に加入していないと保険がおりることはありません。出火原因となった家の保険が被害を受けた自分の家におりることはないのです。そのためどんな物件を購入したとしても火災保険に加入することをすすめられるのです。あまりいないとは思いますが、火災に合う可能性が限りなく低いとか、高齢で家がなくなっても老人ホームに入居するからなどと考えて加入していない人もいるかもしれません。
しかし火災保険は火災だけを補償する保険ではなく、加入していることで火災以外にも受けられる補償があります。基本的には火災の他に落雷、爆発、破裂があります。他にも保険プランによって水災、風災、雪災、盗難、水漏れ、破損などの補償をつけることもできます。住んでいる地域の特性なども考えて上手に火災保険に加入すれば火事以外の惨事にも火災保険を活用することができます。
注意が必要なのは火災であっても地震による火災の場合は火災保険では補償されません。地震や噴火などによる火災は地震保険の範囲となるため、火災保険と地震保険には必ず加入しましょう。
火事になったら建て替えできない?
もし家が火事で全焼してしまっても、通常はまたその場所に家を建て直すことができますよね。でも全焼した家が再建築不可物件の場合はどうなるのでしょうか。
再建築不可物件は、再建築ができないために土地・物件自体を通常の相場よりも安く購入できる物件です。一度建て壊してしまうと建替えができない物件ということです。 建て壊す理由は、自らの意思で建て壊した場合でも火事で全焼してしまった場合でも関係ありません。建物がなくなってしまったらそこにはもう二度と建物を建てることはできないのです。
ですから土地を買い足す、あるいは借りるなどして接道義務を果たせればその土地が再建築可となり、同じ場所に建替えることができます。しかし再建築不可のままでは、残念ですが焼け野原の空き地となってしまうのです。